血虚体質
特徴
体を養う「血」が不足した状態で、栄養が全身に回らない。体の各部分に栄養の不足状態が起き、皮膚・粘膜が乾燥して炎症を起こしやすく、血液循環不良、内部泌異常、自律神経系の失調などが生じてくる。
タイプ
顔・からだ全体の皮膚の色がうすく、乾燥気味。皮膚や筋肉が枯れたように薄い体つきの人が多く、やせ型で疲れやすそうに見える。このタイプは、女性に多く、特に若い女性の冷え性で生理不順・不妊症などが多い。
血虚体質の症状
- 顔色や唇の色が白っぽい。
- 皮膚はカサカサしてつやがない。
- 立ちくらみ・ふらつき・動悸。
- 目が疲れやすく、かすむ。
- 爪の色が悪く、割れやすい。
- 眠りが浅く、よく夢を見る。
- 手足のケイレン、しびれ。
- なんとなくイライラして不安感。
- 髪の毛が細く、抜けやすい。
- 生理が遅れる、量が少ない。
陰虚体質
特徴
体を潤したり、体内の余計な悪い熱を冷ましたりする「陰液」が不足した状態で、乾燥が強く、熱が浮き上がる(ほてり)。陰液の不足で口・のど・皮膚・粘膜の乾燥感を訴え、自律神経系の興奮や炎症・熱性の疾患を起こすことが多い。
タイプ
皮膚や髪は乾燥して、やや赤みを帯びた顔色で浅黒い感じ。かすれた声でよく空咳をすることが多い。足の裏のほてりが強く寝汗や耳鳴りが特徴。夜型の生活をしている人に多く見られる。
陰虚体質の症状
- 手足の裏のほてり、特に夜。
- 夜何回もトイレに起きる。
- 夜ふくらはぎがつることがある。
- 耳鳴り・動悸・不安感。
- めまい、フワーとすることがある。
- 腰の痛み、足のだるさ。
- 目がしょぼしょぼして、かすむ。
- 顔がのぼせやすく、ほてる。
- のどが乾燥して、慢性の空咳。
- 午後に微熱がつづく。
気滞体質
特徴
生命力を支えるパワ-「気」の流れが悪く渋滞を起こしている状態です。「気」が渋滞するといろいろなところが張ったり痛んだりします。また、「気」が渋滞すると「熱」がこもり、この熱が大切な陰液を消耗する。
タイプ
すこし赤ら顔で目も充血気味でがっちりした体格が多い。元気そうで体力的に無理がきく反面、精神的に不安定で怒りやすい・イライラ・神経質・落ち込みやすいなどがある。
気滞体質の症状
- イライラして、怒りやすい。
- 赤ら顔で目が充血気味。
- 几帳面で神経質。
- 鼻の奥・目の奥・脇腹の痛み。
- げっぷやため息が多い。
- 口の苦み・頭痛・耳鳴り。
- 空咳や黄色い痰が多い。
- 背中が張って痛む。
- カーと急にのぼせる。
- 生理前に胸・腹部が張って痛む。
瘀血体質
特徴
全身に栄養を与える「血」の流れが悪く渋滞をおこしている状態。体に栄養が吸収されても一部分に固まって悪くなった状態。この状態が長く続くと血管の詰まり・腫瘍・筋腫などにつながる。
タイプ
顔色が赤黒く、唇の色も紫で全体的に皮膚の色がくすんでいる。内臓や皮膚など、体中に魂ができていることが多い。シミ・そばかす・目の周りのクマも多い。
瘀血体質の症状
- 皮膚の色が浅黒く、くすんだ感じ。
- 唇・歯茎の色が暗紫色。
- 頭痛・首筋や肩の凝り。
- 手足が冷え、顔がのぼせる。
- 手のひらに赤い斑点がある。
- シミ・そばかすが多い。
- 目の下にクマができている。
- 身体に固定性の芯のある痛みが特徴。
- 生理痛がひどい。
- 生理の色も黒っぽく、塊が多い。
陽虚体質
特徴
体を常に一定の温度に温める「陽気」が不足した状態で、とにかく寒がり、冷えが強い。体を温める力が弱いといろいろな働きも悪くなり、特に腰から下の力が弱くなり、尿失禁・頻尿・むくみ・ひざの痛みなどが多くなる。
タイプ
顔が青白くやせ型が多く、いつも厚着している。背中を曲げた姿勢のことが多く動きが鈍く「足がだるい・腰が痛い」とよく口にする。声にも元気がなく弱々しい。ボーとしていることが多い。
陽虚体質の症状
- 寒がりで冷えが強い。
- 手・足・腰の冷えが特に強い。
- 夜中トイレに何度も起きる。
- 聴力が弱く、耳鳴りがする。
- 冷えるとすぐ下痢をする。
- 小便の量が多く、薄い。
- 小便が出にくい時は、むくむ。
- 骨や歯がもろい。
- 水分をあまりとらない。
- すぐ息切れ、動悸がする。
気虚体質
特徴
生命の源である「気」が不足した状態で、精神・肉体を動かす力が弱くなり抵抗力も低下し、様々な病気にもなりやすく治りにくくなる。身体に必要な栄養も作ることができない。
タイプ
色白で胃腸が弱くやせ型が多い。声や表情にも元気がなく、見るからに疲れやすそう。低血圧で午前中ぼーとする事が多い。
気虚体質の症状
- 疲れやすく、元気がない。
- 気力がなく、体が重くだるい。
- 風邪をひき易く、治りにくい。
- 汗をかき易く、止まりにくい。
- 胃腸が弱く、消化が悪い。
- 胃下垂、子宮下垂、脱肛。
- 日中眠く、夜眠れない。
- 動悸・息切れがしやすい。
- 立ちくらみ、低血圧が多い。
- 手・足が冷えやすい。
湿熱体質
特徴
体内に余分な「水」と「熱」が停滞してドロドロした粘りのある重い性質のものが、体内に充満している状態。この「湿熱」が体内にできてくると気・血・水の巡りが悪くなり特に血液がドロドロで、流れにくくなり、吹出物(膿)や悪性腫瘍の原因になる。
タイプ
暑がりで、がっちりした体格の肥満タイプが多い。赤ら顔で皮膚のつやも良いが、吹出物(膿)が多く、目やに、鼻水、痰、耳だれ、おりものなど黄色い分泌物が多い。口の中が粘ったり苦く感じたりする。体が重だるく、脇腹やみぞおちが張って重苦しいことも多い。
湿熱体質の症状
- 身体・頭が重だるく、熱っぽい。
- 吹き出物が多く、化膿しやすい。
- 口の中が苦く、粘った感じがする。
- 便はドロッとした、ねばねばうんち。
- 腹が張って重苦しく、スッキリしない。
- 尿の色が濃く、濁ることもある。
- のどがよく渇き、冷たいものを好む。
- 目やに、鼻水、痰、おりものなどが多く黄色い。
- イライラして、怒りやすい。
- 舌が赤く、下の苔が厚い。
内風体質
特徴
体内のすべての細胞内臓・筋肉・神経などを潤して滋養する働きが弱くなり、乾燥してでてくる状態を「内風」という。特に、脳卒中、心筋梗塞の大きな要因でもある。この体質のある場合は、今すぐ漢方で体質改善が必要。
タイプ
常に顔のほっぺがポーと赤くほてり、目に力がなく、どんよりしている。頭がモヤモヤしたり、体がフワーと感じたりすることが多く、精神的に不安定。手足のしびれ・ふるえが出やすく、筋肉もピクピクけいれんしやすくなる。
内風体質の症状
- めまい、ふらつきが多い。
- よくフワーとすることが多い。
- 手足のふるえ・しびれ。
- 夜中によく、ふくらはぎがつる。
- 目のしょぼしょぼ・かすみ。
- 血圧、特に下の血圧が高くなってきた。
- 足腰がだるく、力が入らない。
- 動悸・不眠・不安感が強い。
- 皮膚が乾燥して、かゆみがある。
- 突然倒れたことがある。